普段の生活でナイフを使う事はそれほど多くないので、いざナイフを買おうと思っても何を選んだら良いかわかりませんよね?
筆者もキャンプを始めるまでは、自分でナイフを購入した事がなかったので、最初の1本を選ぶときに色々と迷いました。
そんな筆者も気が付けばキャンプ歴4年となり、持っているナイフの数も20本以上となりました。
そこで、今回は筆者が購入して実際に使ったナイフの中から、皆さんにおすすめできそうなものを10本選んでみたので、良かった点、悪かった点も含めて詳しく解説していきたいと思います。
ナイフを選ぶときのポイントと注意点
最近、YouTubeのナイフ紹介動画でかなり間違った情報が流れているので、注意喚起も含めてナイフを選ぶときのポイントを紹介します。
見た目だけで選ぶと後悔します
①そのナイフを自分で研げますか?
まず初めに言いたいのは、ナイフは見た目だけで選んではダメと言うことです。
例えばゲームに出てくるような複雑な形をしたナイフを購入した場合、素人では研ぐ事ができません。
ナイフはその後のメンテナンスも自分でやるので、派手な見た目のナイフはやめておきましょう。
②餅は餅屋
Amazonでは安くて見た目も悪くないナイフがたくさん売っています。
初めてのナイフを買う場合、それほどお金はかけられないので安くてカッコ良いナイフに目移りしてしまう気持ちもわかりますが、果たしてそれで大丈夫でしょうか?
「餅は餅屋」なんて言葉もあるように、専門的な道具を買うならしっかりとしたメーカー品を選んだ方が良いでしょう。
使っている鋼材とメーカーをチェックしよう
まず、ナイフの作りを決めるのは鋼材と焼入れだと言うことを知っておきましょう。
ただし、どのような製造工程で作られたのかは商品ページを見てもわからないので、専門的なナイフメーカーで作られたものかをチェックすれば良いと思います。
鋼材については有名なナイフメーカーで使われているものを選ぶのが無難だと思います。
参考までに鋼材をいくつかピックアップしておきます。
12C27N:モーラナイフのコンパニオンなどで使われている
14C28N:モーラナイフのガーバーグで使われている
VG10:メイドインジャパンのベンチメイドで使われている
440C:ドイツのナイフメーカーである、ボーカー社などで使われている
AUS-8:日本製のステンレス鋼材でCRKTの台湾製ナイフなどに使われている
CPM-3V:アメリカの高級ナイフメーカーである、バークリバーで使われている
※各社が特定の鋼材を使っていると言うわけではありません。
品質は日本製の「AUS-8」と同等と言われていますが、焼入れにハズレがあるのでおすすめ出来ません。
※ちなみにこの鋼材を使っているのは「SWI○○+TECH」や「DU○○TECH」
この鋼材を使ったナイフを激押ししているYouTuberが多すぎるので注意!!
ナイフの形状と刃の厚み
初心者が初めて買うならスカンジグラインドのナイフが良いです。
詳しい説明は省きますが、刃の角度が決まっているので素人でもなんとか研ぐ事ができます。
また、薪割りとしても使いたいなら刃の厚みは3mm以上を選ぶと良いでしょう(理想は4mm以上)
針葉樹のような柔らかい薪なら関係ありませんが、硬い薪を割る時に刃に厚みがあると楽に割れます。
■初心者におすすめのナイフ
おすすめのナイフ
前置きが長くなりましたが、筆者が購入して良かったナイフを10本紹介します。
初心者が購入し易いエントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広く紹介していこうと思います。
エントリーモデル
初めてナイフを購入する上でポイントになるのは価格だと思います。
5,000円以下で購入できて品質の良いものを3点紹介します。
初めてナイフを購入するのに向いているのは、モーラナイフのシリーズだと思います。その中でも最も安価なのがこちら。刃厚が2.5mmと薄いので薪割りはあまり得意ではないのですが、細かい作業や調理などでも使える万能ナイフです。
コンパニオンの刃厚が3.2mmになったのがこちら。刃の厚みが増したことで薪割りの性能もUP。少し値段は上がりますが、1本目に購入するならこのナイフを選んでおけば間違いないです。鋼材はステンレスとカーボンの2種類があり、ステンレスはメンテナンスが楽で、カーボンは切れ味が良いという特徴があります。
少し変わり種ですが、こちらのナイフもおすすめです。ファイヤースターターがセットになったモデルで、ナイフの背を使って火を起こすことが出来ます。刃厚は2.5mmで通常のコンパニオンと同じなので、万能に使えるナイフです。
スタンダードモデル
ナイフの扱いに慣れてきて2本目を検討している方へおすすめしたいナイフです。
価格は大体1万円前後のもので、フルタング構造のものを選ぶと良いでしょう。
モーラナイフの最上位モデルでもあるガーバーグ。刃の厚みは3.2mmなのでヘビーデューティーと同じですが、使っている鋼材が良くなっています。また、フルタング構造のため壊れにくいのもポイント。少しお金に余裕があるなら、初めからこのナイフを買っても良いでしょう。
スペインのナイフメーカーJokerのスカンジグラインドナイフ。使っている鋼材はガーバーグと同じですが、刃の厚みが3.7mmと分厚いため、薪割りがし易いです。また、刃の長さも約10cmと取り回しが良く使い易いナイフです。
フェザースティック用のナイフ
3本目以降に購入しても良いと思うのが、フェザースティック用のナイフです。
フルタング構造ではないので、薪割りには使えませんが見た目が良く趣向品として良いナイフです。
ヘレナイフはハンドルにカーリーバーチという美しい木材を使っているため、非常に趣向性の高いナイフです。Gaupeはノルウェー語で大山猫という意味があり、レザーシースに肉球が刻印されています。太めのハンドルで力が入りやすく切れ味も良いのでフェザースティック作りに向いています。
ハーフタングと言う耐久性の高い構造なので、軽い薪割り程度なら使う事が出来ます。切れ味も申し分なく握り易いハンドルなので、ベストオブフェザーのナイフと言っても良いでしょう。14C28Nの鋼材を使ったタイプは、刃の背にエッジがついているので、メタルマッチで火おこしも出来ますよ!
ハイグレードモデル
ナイフを複数本所持し、ちょっと良いものが欲しいなと言う方におすすめ。
ハイグレードな鋼材を使っているため価格も高めですが、それ相応の品質を持ったナイフです。
スウェーデンのブッシュクラフトナイフメーカーCasstromのナイフ。Lars Falt氏によりデザインされたこちらのモデルは、刃厚が4mm、刃長が11.5cmの少し大きめですが、カーリーバーチを使った美しいハンドルはコークボトルのような形状で握りやすく、薪割りやフェザースティック作りに最適なナイフです。
Amazonや楽天でも販売されていますが、価格が高いので以下のサイトがおすすめです。
詳しい説明は動画を参照してください。
フォールディングナイフ
調理用やちょっとした作業に便利なのがフォールディングナイフです。
折りたたんで携帯できるので邪魔になりにくく、色々と使えるので1本持っていると重宝します。
ハンドルと刃に角度がついているため、食材を刻む時に手がまな板に当たらないデザイン。ハンドルには積層強化木を使っているので、水に濡れても大丈夫です。また、銀紙三号と言う鋼材を使っており、切れ味が長持ちするのでメンテナンスも楽なのが良いポイント。
スペインのナイフメーカーJokerのフォールディングナイフ。手に収まるコンパクトなデザインですが、ロックバック式のしっかりとした作りです。食材を切ったりちょっとした作業に向いているので、1本持っていると便利ですよ!
メンテナンス用品
ついでと言っては何ですが、ナイフのメンテナンスに使える道具もいくつか紹介します!
最初から準備をする必要はありませんが、後々あると便利ですよ。
シャプトンはセラミックを使った砥石なので減りが少なく長持ちします。#1,000は中砥石ですが、筆者が使った感覚では、荒砥石のような研ぎ味で、短時間で刃物を研ぐ事が出来ます。初心者は削りすぎに注意が必要なので、都度確認しながら研いだ方が良いと思います。
予算が無くて1つだけ買うならこちらの#2,000か#1,500が良いと思います。仕上げ砥石に近い中砥石なので、初心者でも研ぎすぎる事がなく、練習にはうってつけだと思います。
#5,000は仕上げ砥石なので、キャンプ用のナイフであれば無くても良いのですが、あった方が楽に刃物を研ぐ事が出来ます。主にバリ取りで使うのですが、研ぎすぎる事がないので、何度も研ぎ直す手間が省けます。
革砥はナイフのバリを取って刃をシャープにする為に使う道具なので、切れ味を求めるなら必須のアイテムです。ただし、レザーを木の板に貼り付けて、自分で作る事も出来るので、無理をして市販品を買う必要はありません。
最後に
タイプの違うナイフを10本紹介させていただきましたが自分に合ったナイフは見つかりましたか?
エントリーモデルのナイフでも十分キャンプはできるので、予算に合わせて選んでいただければと思います。
初めてナイフを購入する方であれば、エントリーモデルを使ってメンテナンスを練習していただくのも良いと思います。
また、刃物は正しい使い方をしないと怪我をしますので、取り扱いには十分注意をしてください。
以下の記事で詳しくは説明していますので参考にしていただければと思います。
YouTube動画
キャンプ用のナイフを紹介している動画です。
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